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その女の子は、涼子本人だった。
あの時、涼子の残骸からは野々村涼子のDNAは出ずに別人と判断された為に、涼子は行方不明とされた。
その死体の腹から出てきたのが、この女の子だったことを奈々子は知らない。
「涼子ちゃん?
さっ、帰ろっか?
今日もダメみたいだしね?」
奈々子は、女の子の手をとり病院を帰ろうと歩き出した。
逆の手には、例の黒い煙草が握られていた…
女の子は、奈々子と手をつなぎながら後ろを向くと、奈々子に聞こえないような声で呟いた。
「……純也。
この身体、便利なのよ♪
感謝してるわ…」
(完)
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