終章~死は始まり~

6/21
前へ
/107ページ
次へ
ザクッ! ジョギン! 私は、這いつくばって逃げる女のアキレス腱にハサミを突き刺し、そのまま切断した。 「イヤァァァァ! 痛い!痛い! やめて…やめ…」 私の姿がハッキリ見えなくても、腕がもげ、突然刃物で刺されては、恐怖するしかない。 女の顔は恐怖に引きつっていた。 「武藤純也さんを見ませんでしたか?」 私は、静かに丁寧に問いかけた。 こんな事をしておいて、静かに話しかけられるとかえって不気味である。 「ひっ、ひぃっ!」 女は恐怖で声にならず、自分が来た方を指差した。 「こ、この先… この先にある階段を下りていかれました。 残った人を誘導するって言ってました……」 グサッ! 「そう… ありがとう。」 そう言うと、お礼の代わりに心臓を一突き…… 女の目は見開き、絶命する。 動かなくなった女の白衣で血を拭き取ると、純也の後を追った。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加