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「あなたは、先に行って下さい!
私は、アレを始末してから来ます。
おっと、これをお借りしますよ?」
純也は、黒いスーツの男に先に行くように言うと、男の懐から拳銃を取り出した。
男は、よほど私の存在が怖いのか、ビクつきながら奥に逃げて行った。
恐らく、奥に抜け道でもあるのだろう。
男の姿が見えなくなると、純也は私の方に拳銃を構えた。
「お前、涼子だな?
よく生きていられたな?」
私もハサミを構える。
「言ったでしょう?
あなたは必ず殺すって。
私にもガソリンをかけていけば、死んでたかもね?」
拳銃の方が圧倒的に有利なのは、目に見えているが、この倉庫みたいに障害物が多い所では、外しかねない。
もし、外してしまうと、私の方が2発目よりも先に致命傷を与える可能性も大きい。
純也もそれがわかっていたので、2人は慎重に動く。
しかし、片手しかなく、火傷で今にも気を失いそうな私には、時間がないことがわかっていたので、先に仕掛けることにした。
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