終章~死は始まり~

11/21
前へ
/107ページ
次へ
純也は、ずっとビジネスホテル暮らしで、新しい研究室との往復の毎日だった。 昼食もまだだったので、弁当でも買いに行こうとした。 「コンビニでも行くか…」 やり遂げた人間というのは、どこか気が抜けたような感じがする。 「いやいや! これから忙しくなるんだから、気を引き締めないとな!」 ホテルの入り口で、自分に活を入れるが、どこか気が抜けた感じだった。 コンビニは、ここから歩いて10分くらいの場所にあって、少し遠い。 近道をすれば、5分でいけるため、純也は脇道に入る。 人気のない路地に入り、途中にある公園を横切ろうとした。 公園の中から、子供の泣き声が聞こえてきたので、公園の中を見てみる。 中には、すべり台に砂場、ジャングルジムにブランコしかない小さな公園だった。 そして、ジャングルジムの頂上で泣いている3歳くらいの女の子がいた。 純也は、お人好しではない。 目的の為に人を犠牲にする人間だ。 普段なら、無視してコンビニに向かうところだが、暇なこともあって、どうしたのか話しかける為に公園に入っていった。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加