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純也は、ずっとビジネスホテル暮らしで、新しい研究室との往復の毎日だった。
昼食もまだだったので、弁当でも買いに行こうとした。
「コンビニでも行くか…」
やり遂げた人間というのは、どこか気が抜けたような感じがする。
「いやいや!
これから忙しくなるんだから、気を引き締めないとな!」
ホテルの入り口で、自分に活を入れるが、どこか気が抜けた感じだった。
コンビニは、ここから歩いて10分くらいの場所にあって、少し遠い。
近道をすれば、5分でいけるため、純也は脇道に入る。
人気のない路地に入り、途中にある公園を横切ろうとした。
公園の中から、子供の泣き声が聞こえてきたので、公園の中を見てみる。
中には、すべり台に砂場、ジャングルジムにブランコしかない小さな公園だった。
そして、ジャングルジムの頂上で泣いている3歳くらいの女の子がいた。
純也は、お人好しではない。
目的の為に人を犠牲にする人間だ。
普段なら、無視してコンビニに向かうところだが、暇なこともあって、どうしたのか話しかける為に公園に入っていった。
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