偽りの歴史

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そのときタナカは焦っていた。 「昨日までって言ってたのによお。」 朝になって気が付くとは。自分はとんでもなくおまぬけだな、とタナカはつくづく思った。 タナカはそこで一旦思考をやめ、職員室へ走る。 職員室は二階にあるため階段を上り、ドアまで走る。 しかしそこでタナカを待っていたのは、『会議中』という立て札だった。 「なんだよー。」 タナカは静かに不満の声をもらした。 だが、中から声がするので、聞耳をたてる。 「……しかし、地球人はやはり頭が悪い。」 「?」 タナカは首を傾げた。意味が分からない。 「だがそのおかげで今は助かっているではないか。自分達が開発したと思い込んでいる核兵器やクローンを使っている。」 「???」 「面白いものだな。全て私たちの同胞が科学者だというのに。歴史も教えてしまえば勝手に覚える。戦争もこの年表の通り。」 「ああ、次はいつ戦争をおこして人類の数を減らすのだろうか。」 頭が悪い? 科学者が全て先生の同胞? 次の戦争??? 「な、なんだよそれは。じゃあ今までの歴史や技術は全部………」 「そう、うそっぱち。タナカ。そこで何をしている?」 タナカがふりかえるとそこには男が一人立っていた。
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