ここは…

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「離苦さん……ですね。 貴方は人間ですか?」 話を長くしても仕方ないので、雛は聞きたかった事を自らを離苦と名乗った少年に問い掛ける。 「おや……中々の観察力だね。 もう気付いているかと思うけど、僕は人間じゃない。 『厄神』さ」 「やっぱり……」 離苦は何故か胸を張り、雛を上から下まで見回す。 「君の周りにも厄が集まっている。 君も僕と同じように、厄神かい?」 雛は頷き、さらに問い掛けた。 「こちらではあまり見ない服ですが、貴方は外の世界から来たのですか?」 「ここが別の世界だって言うのならそうなるね。 まぁこの服は人間社会に溶け込む為に、人間に真似て作っただけ何だけどねぇ……」 離苦は独り言のようにそれを言ってから『今更だが、ここはどこなんだい?』と雛に聞いた。 「ここは幻想郷。 妖怪と人間が共存して暮らす世界です」 「成る程。 じゃあ僕の住んでいる世界とは違う。 それにしても、人間と妖怪の共存と言うのは中々良いね」 離苦は納得したように首を縦に振り、呟いた。 「僕のいたところでは、妖怪はいないと思われているからねぇ…… ここでは、妖怪はこそこそと隠れて暮らすか、僕のように人間に紛して暮らさなくても良いんだね……。 まぁ僕は妖怪じゃなくて厄神だけど」
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