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未来
未来は、広がっているのだと思ってた。
子供の頃は、なんにでもなれると思ってた。
未来は広がっていて、無数の選択肢が、自分の前にはあるのだと信じていた。
だけど、二十歳の頃、はたと気がついた。
何時しか、選択肢が少しずつ狭まっていたことに。
今さら選ぶことのできないものが、選ぶことのできるものより、増えていることに…。
未来はもう、広がっていなかった。
今度は狭まっていた。
歩める道は、多くは残されていなかった。
残った道を、大事に大事につぎはぎしながら歩んでいくしかないことに気がついた。
それが大人になったということ。
それが、自分が選んだ人生という道。
もう、後戻りはできない。
残された道を、進むことしかできない。
もう、選べる道はそんなに多くはないのだから。
無限に広がっていたはずの未来は、限りなくちっぽけな平凡なものに変わっていた。
選んだ道は本当に正しかった?
子供の頃描いた未来は、こんなものだった?
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