MOTHER

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【……名称、ターンナイフ。主な使用用途は、直接武装に確認ください】 「……はい?」 【この世界に置ける特殊な武器、パラサイトといいますが、これには知能が備え付けられており、ゲームスタートと同時に話し合うことができます】 「へえ……すごいな」 俺は目の前に浮いているターンナイフを手に持ってみる。 握った触感はあるものの、ゲームだからか重さは感じない。 正直、ハズレっぽい。 そもそも剣のジャンルで出そうなものが?で出てしまうのが既におかしいし。 もうちょっとクセのある強そうな武器が欲しかったのに。 ……まあ、確かこのゲームの武器にはなにか能力がついていると受付で聞いたし、スタートした時まで希望は捨てないでおこう。 【続いて武器の発現、収納に用いる、召喚キーの設定を行います。この言葉を告げることで、好きなときに武器を出し入れできます。 こちらはゲーム内で変更出来ます。お気軽に設定ください。】 さて。戦闘前は常に余裕があるわけじゃないだろうし、長いものは使えないな。 「……」 思いついた言葉を出すと、すぐに了承の返事が返ってきた。 まだ悩むところではあるけど、いつか思いついたときに変えたらいいわけだし、当面はこれでいこう。 【では、次に所属する国の選択を行います】 今までくるくると回っていた剣と銃のアイコンが消え、代わりに赤、緑、青の国旗が出現した。 赤は武器が、緑は人が、青は袋がモチーフとなっているらしい。 【赤い旗がアルカディア、武勇を誇る国。緑の旗がエリュシオン、平和を重んじる国。青い旗がカナン、商業の盛んな国。 決定はグラフィックへタッチで行います。国の移動は原則、禁止されていますので、選択は慎重にお願いします】 みんなは確かエリュシオンにいるんだったな。 ……平和を重んじる国か。ほのぼのした感じは好ましいけど、そんなのを楽しむためにやるわけじゃない。 なら、やっぱり。 「悪い、俺はアルカディアを選ぶ」 色々と手回しをしてくれたユウキと、サポートを約束してくれたツツジさんに心の中で頭を下げつつ、赤い国旗を触る。 同時に青と緑の国旗が消えた。
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