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しばらくたった今でも、こうして武器を使う度に寂しくなる。
「宜しく頼むぜ、ドール」
『任せなさい。マスター』
ただどういうわけか、今回のもちょっと性格がひねくれている。そのせいで、少しオトギじみた考えが浮かんだりもした。
「ひぃいっ!? た、助けてユウキー!!」
蜘蛛に腰を抜かしていたタマは、口から吐き出された糸にグルグル巻きにされた。
「あー…いや、ちょっと遠いから無理」
「白状もの?!」
そんなことを言いながらも、俺に目配せをし、攻撃の準備を始めるユウキ。
「任せた」
「了ー解っ」
そして、一気に加速する。
……この一瞬一瞬が、とても輝いていた。それはきっと、何よりさっきの出来事が影響していて。
これからはもっと輝いていく。
そんな確信を胸に抱いて、俺は今日も仮想の世界を全力で駆け抜けた。
ーEND.
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