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「はい」
「じゃあ、上がれよ。適当に座ってくれ」
俺は再びカーテンに向かう。
夏奈子は待ちきれないのか、俺の背に向かって「あの・・」と声をかけてきた。
「なんだ?」
俺はカーテンを開けながら聞き返した。
「まだ、指輪を持っていますか?それとも、もう美奈さんに?」
「いや、まだ返してない」
そう答えた瞬間、窓ガラスに映る夏奈子の目がピカピカッと光った
(なっ!?)
俺は慌てて振り返るが、夏奈子の目に異常はない。
「望月さん、どうしました?」
「い、いや、なんでもない」
(・・・そうだよな)
人間の目が光るはずがない。
(気のせいだ)
俺は自分にそう言い聞かせ、窓を開けるため錠に手を伸ばす。
夏奈子は待ちきれないのか、また後ろから話しかけてきた。
「あの・・・望月さん。私と二人で神社へ行きませんか?」
「ああ、別にいいけど」
ピカピカ!!
窓ガラスに光が瞬く。
(や、やっぱり・・・光ってる!?)
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