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(まさか・・・)
忌まわしい夜の記憶が甦る。
音は廊下から聞こえてくる。
真紀が走り、廊下へ顔を出す。そして、左右を見てから駈け戻る。
「剣鬼よ!左右から一匹ずつ!それに猿鬼が三匹!」
剣鬼
俺とカズマが二人掛かりで倒した強敵。それに猿鬼。猿鬼がどんなものか知らないが、鬼ならば強いはずだ。
「クックックッ」
笑いは天井から。
見上げると、血まみれの鬼が笑っていた。
「鬼王だから殺す?仲間と合流?・・・勝手にプラン立ててんじゃねえよ・・・貴様らは全員ここで死ぬんだ」
それこそ勝手なプランだが、剣鬼二匹では本当にそうなりかねない
「章介!退け!」
俺は章介を腕の下から退け、傷付いた自分の足で腐泥門を踏みしめる。
「真紀!死に物狂いで裾を踏め!」
「分かってるわよ!血路を開かなきゃ逃げることもできない!あんたこそ死に物狂いで戦いなさい!」
真紀は俺の後ろへ、章介は俺の隣で刀を構えて叫ぶ。
「茜!死神はもういいから!僕の裾を!」
茜は迷わず死神の裾から章介の後ろへ移動する。
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