第26話 泥と血と涙㊥

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本当だ。 風の音に混じり、甲高いエンジン音が聞こえる。  バイクだろうか。 そして、エンジン音は次第に大きくなり、校舎に反響する。 校庭を走っているのだ。この砂嵐の中にバイクを乗り入れる者は限られる。 「真紀だ・・・やっと来やがった」 カズマが安堵の息をつく。 「なら、望月さんも!」 望月さんが私を救けに来てくれた 窓へ走ろうとした私、その腕をカズマが掴んだ。 「どうするつもりだ?」 「もちろん、この場所を教えるのです!そんなことも分からないのですか!」 「止めておけ。鬼にも居場所を教えることになる。エンジン音を聞き、バイクの停まった場所へ俺達が行く。たぶん、エンジン音に鬼が集まるはずだ。どれだけスムーズに真紀達にたどり着けるか、それが真紀と望月を救う上で重要となる。余計な鬼をこちらへ呼び寄せるな」 「・・・・・・」 もっともなことだ。だが、素直に頷けず、私はブスッと黙り込む。  その時、エンジン音が止まった。 かなり遠い場所、一年校舎の方だ
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