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カズマは扉に向かって薙刀を構え、私は裾の後ろで姿勢を低くする
次第に近付く馬蹄の音。
やがて、足音は生徒会室の前にさしかかった。
そして、通り過ぎると思われたその時、突然目の前でカズマの肩が動いた。
とっさにコートを踏む私。
キィィン!
扉から突き出された槍の穂先をカズマが薙刀で跳ね上げ、弾く。
薙刀はそのまま弧を画いてカズマの肩に柄を乗せ、それにより、後ろの私に薙刀の反った刃が突き付けられる。
私は反射的に一歩退く。
刃に臆したわけではない。カズマは薙刀を肩に乗せ、出口に対して武器を縦にしたのだ。狭い出口に対して武器をコンパクトにしたということは、外へ出るつもりだ。
ならば、裾から足を退けねばならない。
バキィイイ!
私の予想通り、カズマは足を上げて扉を蹴破り、廊下へ飛び出る。
裾を追う私の前で、カズマの肩から薙刀が跳ね上がった。
(攻撃!)
私が素早く裾を踏む中、薙刀は廊下の天井を裂き、床に刃を埋める
残念ながら、馬は刃の下を駆け抜けた後であった。
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