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脆弱でありながら、それでも何かを守ろうとする背中、その方が私は何倍も愛しい。
(いずれ、望月さんだって・・・私も一緒に・・・強くなる)
私は真紀さんのスタイルを真似、脚を広げて重心を落とす。
カズマは薙刀を回転させ始め、勢いを増した薙刀は頭上から横へ、横から前へと目まぐるしく位置を変えてゆく。
「来やがれ」
カッ
カッ
カズマの声に呼応するように、馬が蹄を鳴らし、ゆっくりと前進を始めた。
そして、一気に加速する。
ベタ踏みだから苦労はいらない、そう思ったのは間違いだった。
たてがみが揺れ、その体躯とスピードによって押し退けられた空気が廊下の窓を激しく揺らす。
その迫力たるや、凄まじい。
逃げだしそうになる体や気持ちを抑えるだけで、私は相当な労力を消費する。
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