prolog

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グランコクマの謁見の間に二人の男がいた。一人はマルクト帝国の皇帝ピオニー・ウパラ・マルクト九世。もう一人はマルクト帝国軍特務師団師団長ライア・アークだ。二人で世間話をしている時に廊下から大きな足音がし、謁見の間の扉が盛大に開いた 「なにか用か?」 「はっ、タルタロスからSOS信号をキャッチしました。応答しても返事が返ってこなかった為、何者かに襲われ全滅した模様です」 「――――ッ!!場所はわかるか?」 マルクトの軍人の口から予想だにしない言葉が発せられた。ピオニー陛下とライアは一瞬顔が青ざめていたがすぐに普段通りの顔色に戻った 「エンゲーブとセントビナーの中間地点付近から発信された模様です」 「そうか」 マルクト軍人の話を瞬時に頭の中に叩き込み考え始める。考え終えたのかいきなりピオニー陛下の前に座り込み片膝を立てて話しかける 「陛下、おりいってお話しがあります」 「ライアの考えてることはわかる。私もあのジェイドが死ぬとは思えないしな。」 ライアの考えをよんでいたかのようにすぐに話し返される。流石はマルクト帝国の皇帝と言ったところだ 「ライアに任務を言い渡す。可愛くない方のジェイドの任務の手伝いをしてきてやってくれ」 椅子から腰を上げ真剣な表情でライアに任務を言い渡した。微かにジョークも混じらせながら 「はっ、かしこまりました。ではさっそく行って参ります」 ピオニー陛下に一礼をして謁見の間から出る。そのライアの背中姿を心配そうに見る 「気をつけるんだぞ…」 ピオニー陛下の小さな一言は謁見の間に優しく響き渡った
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