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今二人がいるのは、魔導機関車の中部よりもやや前あたりの廊下。寝台室のドアばかりが並び、内部の景色は代わり映えしない。
「なーんもないな……」
「まぁ、機関車だからね……」
先頭部分近くにさしかかると、立ち入り禁止の札があった。この先は動力室や運転室に繋がっているらしい。
「行き止まりかよ~……」
「仕方ないね、戻ろう」
ルインは冷静に言うが、ルーカスは不服らしい。その場を動こうとしない。
「何か面白いことないのかぁ~?」
「ないよ。さぁ、戻ろう」
あくまで淡白に答える。
と、そのとき。
「……ッ?!」
ルインの感覚が、駅でも感じたあの悪寒をとらえた。
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