第一章【出会ったのか】

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取り敢えず僕は部屋から出た。 便意も無いのにトイレに籠る。僕の悪い癖だ。妹と姉貴には済まないとは思っている。 だがその程度の罪悪感で治る癖では無かった。今日の朝も妹が騒ぐのだろう。 妹が来た。ドンドンドン。おにーちゃん出てよー。ドンドンドン。学校遅れちゃうよー。ドンドンドン。きっとそうなる。だろう。 案の定音が聴こえてきた。 ドンドンドン! 「こら蔦実ー。学校遅刻すんのはヤバいんじゃないのー。」 姉貴だった。
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