第二章【過去に住人となる人】

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「わたしメリーさん。いま家の前にいるの」 バス停から歩いて友達の家の前に来て、携帯から電話をかける。 「おー来たか蔦実、ていうかまた髪短くなってないか…?」 なっ!貴様(窓からこっそり)見ているなっ! 電話を切って家のドアを開けて中に入る。 「あら蔦実ちゃん。いらっしゃい。」 友達のお母さんがドアの前に立っていた。いくら親しいからと言っても直接目を合わせると少し申し訳ない気持ちになってしまう。 「おじゃましまーす」 そう言ってお辞儀をした。失礼にならないように、なるべく「おばさん」と呼ぶのは避ける。
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