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惟幸が卒業するまでに学内のあらゆる写真を撮ろうと決めたのは、もしかすると未練があったからなのかも知れない。 卒業までにやり残したことは沢山ある。 「惟!!」 ファインダーを覗き、校庭に転がるボールを収めようとしていた彼の名を誰かが呼ぶ。 その声は夕陽の校庭に、響きわたるようだった。
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