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彼らはジャズ研究部の仲間だった。放課後、クラブハウス棟に集まっては守衛に帰るように言われるまで楽器を触った。 毎日クラブハウス棟にはジャズ研のサックスやピアノが響いていた。 惟幸に声を掛けた裕二は一人前に、ドラムなんかを叩いていた。 「遅かったな、惟」 クラブハウス棟2階205号室の角部屋が、活動場所だった。 惟幸を見てベースの月島大五が言った。 とても身長が高くて、さらに体格のいい大五は見た目ほどには怖くはない。 いや、それどころかとても温和な人間だ。
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