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「猫踏んじゃったかよ」
一樹は、ニヤニヤして言った。卒業するってことは、彼らにとっては大きな問題。
出来るだけ仲間と会いたいと思っている気持ちは否定はできなかった。
「大丈夫、モラトリアムは惟だけじゃないよ」
四本繁が言う。
控えめで思いやりのある繁は、たまに起きる揉め事をいつも上手くまとめた。
彼らはトランペットの繁を入れてクインテットでジャズバンドを組んでいた。
ジャズでは5人組をクインテットと言った。
「みんなも、惟と同じ。卒業までに後悔の残らないように色々やりたいんだよ」
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