第一章…[Blind]

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      「あのー、大丈夫ですか?」       そう聞くと、女の子はビクッと肩を震わせた         「は…はい… ありがとうございます…」         …………? どこに向いて言ってるの? それ、ゴミ箱だよね…。         「いつも何も置いてないのに…」     と、女の子は苦笑いで言い 手探りで何かを探しだした。       コンタクトかな?         「あの…」       声を掛けようとした時   「あったあった」   と言い、女の子は立ち上がった       その手には杖。         「ありがとうございました」       またゴミ箱の方を向き、お辞儀してニコッと笑う       そして杖で道をカツンカツンと探りながら去って行った。         目が見えないのか…?         「目が見えないからか…」     山ちゃんは去って行く女の子の後ろ姿を眺めながら、俺に近づいてきた。    
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