戻ることのない…

2/50
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
「あぁ…マジで遅れた~」 「貴様が悪い言うてるやん。死ねボケェ!」 「てめぇ大人しく聞いときゃ!」 「いい加減ケンカ止めなよ~」 ナデシコと背の高い男の子、レイの仲裁に入る翔。 いつも通りの光景。 僕にとっては幸せの時間。 でも、始業式に遅れたから今は罰そうじ中…。 めんどくさい…。 「ねぇ!涼!涼もぼーっとしてないで止めてよ~」 「うん。わかった」 僕はとりあえず2人の真ん中に立って2人の頭をつかんだ。 (ちなみにレイも背が高いんだけど僕のが高い。) 「やめなよ(そうじしようよ)。」 ※無表情 「ごめんなさい。」 「すまん。」 「うん。分かったら早くそうじして寮に戻ろう?」 ニコ 「了解した!」 2人は素速くかつ、ふざけつつ仕事を開始した。 なんで一瞬素直になったのかはわかんないんだけど…。 「さすが涼だね♪」 僕はよくわからずに、頭をかしげた。 「分かんなくていいの!早くそうじおわらせよ♪」 翔は僕の親友であり、 助けてくれた人だ。 その数分後どうにかそうじを終わらせて寮に帰った。 僕の部屋からは、学校の桜が少しだけ見えていた。 部屋に戻ってから外を見てぼーっとしてたら、ノックの音が聞こえた。 コンコン 「涼~!食堂行くけど行く~?」 翔だ! 特にやることもないしなぁ… 「行く。」 ガチャ 「遅いぞ~。」 「うん。ごめん。」 「また、たそがれてたの?」 「ちょっとだけ?」
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!