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刻の無い時計
「これ叔父さんが作った発明品?」
「凛ちゃん達に食べさせてと言われたゼリーよ。空を跳ぶらしいけど、失敗作だと思っているわ」
「奥さんは信じてあげなよ」
私達は学校の近くに住む名も知れない発明家の家に毎日遊びに来ていた。
いつも失敗作を作るが、成功もする叔父さんと支える奥さんが大好きだ。
「食べたけど、変わった感じしないね?」
「外に出てジャンプしてみるか」
4人が外で実験をしていると箱を持った叔父さんが大怪我で走ってきた。
「叔父さんっ!」
「あなたっ!!」
五人が駆け寄ると叔父さんは私に箱を渡した。
「オヤツは食べたかい?」
「うん、ゼリー食べたよ。でも空を跳ぶ事は出来なかった」
「コレを君達に託す」
箱の中には針の無い時計が4つ入っていた。
「今までの研究成果を詰め込んだ時計なんだが、ヤバイモノが出来ちゃってね」
「ヤバイ…モノ?」
「説明出来る時間は無い。絶対に4つの時計を奪われたら駄目だ。4つには各々違う研究成果が入っている、君達の為に作ったモノだ。だから使い方はお――」
叔父さんの話が終わる前に銃声と車の音が近付いてきた。
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