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「そろそろ時間だ。俺は去るぞ」
「1つだけ…どうして藤を怪我させたの?」
「命令で殺せと言われた。三人が大切にしている藤ってやつを殺せば、体に取り込んだナノマシンが反応して強い刻無時計が出来るからだ」
「そう、オヤジ。藤を殺さないでいてくれてありがとう」
私はオヤジに背を向け逃げた、次に会う時は敵だからだ。
「まさか…違うと言いなさい凛」
「嘘じゃない。政府の情報にもアクセスした」
「なら叔父さんは俺達を利用する為に?」
信じたくは無かった、叔父さんが敵なんて。
数日が過ぎ、叔父さんから刻無時計を封印する機械が出来たと呼び出された。
「これで追い掛けられる心配は無いぞ」
「……あの、藤は?」
「妻と奥の部屋にいるよ」
「叔父さん、いや、佐治川日夜さん。もう三人共知ってるよ」
叔父さんの笑顔が曇り、虫けらを見るような目に変わった。
「なら話は早い、君達の大切な藤君を助けて欲しいなら――」
由美は大笑いして佐治川を馬鹿にした。
「私の家を馬鹿にしてますの?貴方のバックにいた政府の人間は捕まりましたわよ」
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