刻の無い時計

5/5
前へ
/12ページ
次へ
「世界を手に入れる為なら容赦無いってわけだ?確かに見せれば恐怖を覚える、でもね私に見せても絶対に時計は渡さないんだから」  私は藤の時計を鞄に入れると森に逃げた。  藤の予知のお陰なのか、それとも私の中にある鍵に反応したのか、危険予知が出来た。 《…皆……ごめん、藤が捕まった》 《……》  誰も応えないが、ショックを受けたのはわかった。 《…藤は無事だから、今度から私が予知するから、逃げて》 (許さないから…オヤジ) 「女を追い掛けますか?」 「いや、彼奴は俺の娘だ。追い掛けても殺されるのはお前達だ。それに顔を見られた」 「私にはワザとに感じましたが?」  部下の言葉に男は高笑った。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加