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「…っくしょう。あのクソ店員、結局最後まで売らなかったな」
――ドゴァッ!!
俺は苛つきを抑えれないまま、出入り口に並ぶゴミ箱に蹴り入れた。
金属製の側面がへこみ、中身が辺りに飛び散ったが、俺はそれを無視してコンビニを後にした。
店内にいたクソ店員と客達がギョッとした顔で俺の背中を見ていたが、知ったこっちゃない。
…あぁイライラする。
もうあのコンビニは使えねぇな。
ここら辺に設置されているタバコの自販機はすでに年齢確認式の最新型に代わっている。
他のユルいコンビニ探すか、わざわざ隣町まで行って買うか、それとも知り合いの大人に頼んで買わせるか…。
俺は先の思いやられる苦労にため息をついた。
なんて不親切な世の中になったんだ。
たかだか年齢が三歳足りないだけで販売拒否かよ。
イライラしながら俺は駅前の街を歩いた。
ウザい程のバレンタインデーの飾り付けで賑わう店は、彼女がいない歴イコール年齢の俺にとって、店の前を歩くだけでも不愉快だった。
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