午後4時30分

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放課後と言うものは、どこか異質である。 昼間とは違い、夕方特有の淡いオレンジが教室中を包み、人の体温もあまり無い。 遠くから若干部活を勤しむ運動部の掛け声くらいしか響かないので、よりそこは異空間であった。 そんな放課後、俺はぼんやりと教室で1人机に座っていた。 理由は無い。ただ、座っていたいだけ。 正直に言うと、部活をサボっていただけにすぎないのだが、別に部活にやる気が無いわけではない。 かと言って帰宅する気も起きない。だからここにいる、以上。 だが、これ以上ここに居てもなんら面白くないので、俺はため息を吐きながら席を立った。 椅子が軋み、机が鳴った。 重たい鞄を抱え、重たいドアを開ける。 廊下はいつも通り、この時間帯には閑古鳥が鳴いていた。 と、思っていた。 目の前に、じっと俺を見つめる見たことも無い女子が、ひとり居た。 「はやく帰った方がいいよ」 「…はい?」 小奇麗で小さい子だな、と思っているといきなりの忠告。 しかも内容は意味不明。
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