静かなる終わり

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何か用があって呼び出したであろうに、赤岩は相変わらず穏やかに水面を眺めている。 青山は、呼び出しの電話の時から赤岩の様子がおかしい事に気付いていた。 普段は公明正大の熱血漢である赤岩だが、歯切れの悪い口調で何やら思い詰めたような感じだったのが気になっていたのだ。 現に今も、遠くを見つめる赤岩の表情には普段の野生味に溢れ闘志漲る様子も無く、ただただ優しく春の風景に見入っている。 暫く無言のまま時を過ごしていた二人だったが、そのうち青山が先に切り出した。 「で…何だい?話って。 俺だけで良かったの?どうせなら他の連中もいた方が良かったんじゃない?」 「ん…いや。みんなに話す前に、まずはお前だけに話しておこうと思ってな…」 赤岩の顔を見る青山。 その顔は先程までとは違い、やや物憂げなものになっていた。 この赤岩の様子。 そして、とりあえず青山だけに話す事があると言う。 やはり何かあるのだ。 一連の流れからして、決して良い話では無い、と言う事は青山も想像に難く無かった。 「…何かあったのかい?」 青山は腹をくくり、赤岩に尋ねる。 それに対し、赤岩は川を見つめたまま口を開いた。  
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