静かなる終わり

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「俺…レイバードを卒業しようと思うんだ…」 「…え…!?」 赤岩の一言に青山は言葉を失った。 レイバードとは早い話、地球を守る正義のヒーローである。 今よりどれくらいか前、地球外生命体の存在が明らかとなった。 と言うのも、地球という存在を知った彼らがその恵まれた環境を欲し、襲来して来たからである。 SF等でしか考えられ無かった存在が、最悪な方法で現れたのだ。 世界は瞬く間に混乱に陥った。 とは言え、彼らの宇宙船には特に攻撃力は無く、地表に降り立ったそれを拠点として白兵戦を挑んで来るだけなのだが… その『だけ』が驚異だったのだ。 未知なる敵…敢えて『怪人』と言おうか。 怪人達は謎の怪光線や不気味な力等で各地を襲撃、ほぼ人類と変わらぬ体躯の怪人達ではあるが、その圧倒的な力によって各地を蹂躙していった。 各国も各々の軍隊等で応戦したが、初めて遭遇する敵の脅威に動揺が先立ち、苦戦を強いられていた。 そんな中、国連は各国に独自の対策機関を設置させ、それぞれに研究をさせる事で地球外生命体への対処法を模索していた。 一見、世界中から優秀な人材を集めて対策機関を設置するのが最善のようだが、敵は神出鬼没、どこにでもどこからでも攻撃してくる。 つまり、中枢を一カ所に固めてしまうと、そこを叩かれてしまった場合に全てが終わってしまう危険性があるのだ。 それ故、敢えて国連は分散案を採択したのである。  
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