静かなる終わり

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それを受け、日本では東京の地下に三田洋二国連大使を本部長とした防衛研究機関、通称【ふるさと】を設立、その任に当たる事となった。 各国の関係機関が対策を講ずる中、【ふるさと】も敵を分析。そのデータを基にある計画を立てる。 結果を簡単に言うと、ワクチンの要領である。 敵の体組織を入手した【ふるさと】はそれを分析していくにつれ、様々な事実を知る。 彼らは地球人と違う特殊な表皮に覆われている為に、現在地球にある兵器が通用しにくいのだ。 どういう事かと言うと、まず人間の皮膚よりは固いものの、あらゆるものを弾き返せる程の強固さは感じられない。 しかし更に研究や実験を繰り返す内に、彼らの表皮は瞬時に攻撃媒体に合わせて変化する事が分かったのだ。 例えば、銃弾や刃物等の金属兵器に対しては、その金属と同等の硬さとなるのである。仮にダイヤモンドでも同じ事だ。 勿論ロケット砲等、破壊力の高い兵器なら通用『しない事も無い』。 しかし、『核』等はまかり間違っても使用する訳にはいかない。 そこで【ふるさと】の技術研究班は怪人の表皮を基に、それを突破出来うる物質の研究を開始した。 ただでさえ地球外のものを扱うのである。 その工程は至難を窮めたが、怪人達が迫り来る時間との戦いの中、遂に対抗しうる物質の精製に成功する。 その物質は【ミラクルマテリアル(通称MM)】と言う全く芸の無い名前を付けられ、早速実用化に向けての研究が始められたのである。  
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