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30分以内に倉橋先生達が車で到着し、雪が掛かる肩や足元の雪を払うと、玄関先で看護士に指示を与えると先に上げさせた。
倉橋先生のお医者さん鞄には、往診用の聴診器と何やら注射器を用意して、囲炉裏の部屋の床に座布団越しに座った。
「どれ…赤ん坊見ましょうか?」
倉橋先生は、寝ている赤ん坊に近づいて、くるめた布を丁寧に外して、左右に開かせると赤ん坊の体に直接聴診器を当てました。
「ん…思った程大丈夫見たいですね…でも一応抵抗力弱い赤ん坊に免疫性の注射をして様子見ましょう…」
赤ん坊の太股に、消毒の綿で軽く施すと注射針を慣れた手つきでゆっくりと注射しました。
…おとなしく治療を受けた赤ん坊は一瞬足を上下に運動した後におさまりました。
「可愛い男の子です…名前はまだですよね?」
徐に尋ねるとキョトンとした目で、椿はにっこりと返すだけで何も答えずに頷いた。
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