生保の男

ＯＢ面接

『亮佑君はラクビー部だったね！大会どうだったの？』

『はい、残念ながら3回戦で敗退でした』

『そっかぁ、残念だったね！ポジションは？』

『フランカーです』

『ほぅ･･･しかしフォワードには見えない体型だね』

『えぇ小さいほうです
でも、すばしっこく動き回ってなんとかやってました････持久力はあるほうなのでみんなへばってきた時が僕の出番なんですよ』

『へええ体力と根性ありそうだね』

『いやぁ、ただ参ったと言わないだけで･･･小さい者でも足元に上手くタックル決めれば相手は簡単に倒れますし、走るのは得意なほうなのでそれで勝負してました』
ラクビーの話しになると饒舌になる

『なるほど･･･ラクビーの人達はみんな就職決まった？』

『いえ、みんなこれからだと思います』

『少し遅い動きだねぇ』
と笑っていた

『はい、みんな意識が薄いかも知れませんね』
俺も照れ笑いした

『亮佑君はどんな仕事に就こうと思ってるの？』

『正直に言うと、はっきりしたものがありません』

『何処も面接とか受けてないの？』

『えぇ････』
本当は広告代理店受けたけど書類選考で落ちたとは言わなかった
言うのが恥ずかしかった

大崎は少し驚いた表情で
『少しうちの会社の話し聞いてみてほしいな』
と切り出した