プロローグ

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爛金は懐から、代表的な安物密輸銃、中国製マカロフピストルを抜いた。 しかし爛金が銃を構えるより早く、暗殺者がライフルの引き金ねを絞った。 その銃口から閃光とともに発射ガスが漏れる。 直後、マカロフごと爛金の指が数本吹き飛ぶ。 暗殺者は、弾痕の列を爛金の右手から肩口にかけて走らせた。 爛金の利き腕の筋肉が線維に沿って破裂し、脂肪片が飛散する。 千切れた肉の隙間から、血に染まった骨が覗いている。 爛金は撃たれた腕を構えてうずくまり、悲鳴をあげた。 そんな爛金に、ゆっくりと暗殺者が近づいてくる。 地獄から響いてくるような、死神の足音が近づいてくる。 そして爛金は、信じられないものを見た。
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