*$prologue$*

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「ついに戦争が終わるんだ!!!!」 男は広場に集まる人々に嬉々とした表情で、興奮したように大声で叫んだ。 今まで男に対する非難めいた言葉で騒がしかった広場は、男の言葉に一瞬で静まり返った。 「本当に? 本当に戦争が終わるのね?」 「やっとこの苦しい生活から解放されるのか!!」 「ご飯いっぱい食べれるの!?」 広場に集まる人々は皆手と手を取り合って喜び合い、広場には歓声が沸き起こった。 中には涙を流して喜んでいる者もいた。 「あの非道な帝国に勝ったのか!?」 「いや、皇帝に謁見【エッケン】して交渉をするみたいだ。 休戦協定を結ぶんだと思う。 今日レミーナ様が皇帝の城に向かわれるそうだ」 「それなら、レミーナ様をお見送りしなきゃ!!」 「そうだわ!! レミーナ様を盛大にお見送りしましょう!!」 人々の表情は戦争の終わりが見えたことで、険しい表情から自然と笑顔が溢れていた。 人々は急いで広場から出て、 辺りに散って行き、それぞれ家に帰って貧しいながらも見送りの支度を始めた。 城下街には静けさはまったくといっていいほどなくなり、楽しげな音で満ち溢れた。
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