15人が本棚に入れています
本棚に追加
(‥ツッコミどころ満載なんですけど‥。告白の時もそうだったけど、噛みすぎじゃない?それに敬礼しながら礼って‥)
女は戸惑いながらそう思った。
光輝はまだ頭を下げていたままである。
「えっと‥顔を上げて下さい‥」
「あ、はいっ!!」
そう言って、黒髪を揺らして顔を上げた。
不自然に顔の外側にはみ出ている黒縁のメガネはキラリと太陽の光を浴びた。
改めて顔をみると、それはげんなりするような顔だった。
(明らかにヲタクっぽい‥)
大きすぎる度のキツそうな丸眼鏡に、ボサボサ黒髪。顔の輪郭はほっそりしているが、わずかに分厚い眼鏡のしたから見えるクマで痩せこけて見える。まるで徹夜して疲れ果てているみたいだ。
私はこんな男に告白されたのか‥と引いてしまった。
だが、本当にこの男は私なんかに惚れたのだろうか?
なんせ、二週間前に転校してきたばかりだと言う。
私なら好きになれる筈がない。そう思い、質問する。
「あの‥私誰だか分かってるんですか?」
相手の口調のせいで、自分も敬語になってしまう‥。
まぁ、いつも無意識に敬語は使っているが、この男の前となると改めて実感させられる。
最初のコメントを投稿しよう!