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「なるほどねぇ‥」
先ほどの出来事の一部始終を愛子に話した。彼女はずっと真剣に聞いていて、夏美は改めて友達がいることに心の中で感謝した。
愛子は腕を組んで考えている仕草をしている。
「‥どうおもう?」
夏美が恐る恐る聞いてみる。すると愛子はピクッと動いて夏美を見た。
「どうも何も、付き合えばいいじゃん」
親友から出た言葉。どうやら夏美にはこれが予想外だったみたいで、目を見開いていた。
「本気でそう思ってるの!?愛子!!」
そう声を少し荒げた夏美。だが愛子は全く動揺などの素振りを見せない。
「じゃあ断りなさい」
「はぁ!?!?」
あっさりと答えを変えた愛子に少し苛立ちを覚えながらまたもや気の抜けた声をだす。
目の前でうなだれてる夏美を見て、愛子はため息をついた。
「だってさ、決めるのは夏美じゃん。あたしが何か言ったところで、どうこうなるの?」
「うー‥。なんで最初にオッケーしたの?」
頭を浮かせ、愛子の顔を見る。
「だってさ、南川夏美に告白だよ?学年で有名なダサ仔なんだよ?あんたは。一世一代の告白じゃん!!次は無いかも知れないのに!?」
「あぁー‥言わないでぇー‥」
遂には立ち上がって説得し始めた愛子に心底落ち込みながら再び机にうつ伏せになる夏美。
夏美はお洒落と言うお洒落をしたことがないらしい。それどころか、今時の高校生だとは思えないほどのセンスの持ち主で、高校の生徒の間ではダサ仔として通称されている。
親友の愛子曰わく夏美は『平成の明治女』らしい。
「夏美はさ、絶対お洒落したら可愛いと思うよ。なんでしないの?」
愛子が漸く落ち着いて夏美に聞いてみる。
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