バッドイーター

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な、なんだと……!? これだけでもクソまずいのにあと38食もクソまずいものああるというのか……!! こいつは骨の髄まで腐っている。 しかし、俺はバッドイーター。 すべてのクソまずいモンスターメニューを食べつくす男! ここで負けるわけにはいかんのだ! 「……箸が止まったようだな。これでお前も年貢の納め時だ!!明日からは美食を好むただの一般人になり下がるがよい!」 ううう……この味……胃がこれを食べることを拒否している。 「タイム!!!一旦トイレにいかせてくれ!」 「はっ。トイレに行って中身を吐き出したとて同じことよ。私の死のメニューは舌に刻み込まれている。再食など不可能だ!!」 「……っ」 俺は店主の罵声を浴びつつトイレに退避した。 お腹がすごい勢いでくだっていく。 さすが、町内の屈指の悪食店。内臓が俊足で排出を促す。 ……このままでは負けてしまう。 バッドイーターがこのまま負けたままでいいのか。 ……とあえずケツ拭こう。 カラカラカラ。 トイレットぺーぱーを巻きとろうとしたその時首からさげていたも守りに触れた。 そういえば妹のさちこがくれたっけ。 限界が近付いたら開けてって言ってたな……。 さちこ御免!兄ちゃんは一流のバッドイーターにはなれなさそうだ。 俺は苦しみから逃れるかのようにお守りを開けた。 「待たせたな」 「……ずいぶんすっきりした顔になったな。敗北を悟って諦めきったのか?バッドイーターよ」 「……フフ」 「?なんだ?なんだその笑みは?おまえはいま敗北しようとしているのだぞ」 「食べれる!」 俺はチンジャオースの皿を口までもっていき一気にかきこんだ。 ずびずびずびずばあああああ!! 「!?なにいいいいいいいいい!!!!」 「完食ぅぅぅぅ!!!!」 俺は力強く皿をテーブルに置いた。 「俺の道に敵は無い!死のメニューもすべて俺には通用などしない!!」 「それは……鼻ばさみ!!!」 「そうさ!妹が用意してくれたこの秘密兵器さえあれば上っ面のまずさなど問題ではない!!」 「くそおおおおおおおおおおおおおお」 店を出て レシートを高らかに放り投げた。 「完食!わが道に敵無し!」
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