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はっきり言って衝撃だった。
本来、機動六課は危険な古代遺産、ロストロギアを回収、護送するための部隊である(本当の目的は違うのだが)。
そのため、今まで戦ってきた相手はロストロギア・レリックを狙うジェイル・スカリエッティ一派か、それに準ずる危険な組織がほとんどであった。
だから、民間人の保護及びそれを襲う敵との戦闘はほとんどやったことが無かったのだ。
まあ、民間人の保護だけなら六課入隊前は救助隊にいたスバルとティアナがやったことがあるのだが。
どちらにせよ、近くで襲われているなら助けねばなるまい。
たが、スバル達が驚いたのはそれだけでは無かった。
あのフェイトさんが苦戦している?
実力ならなのはさんとほぼ同じと言っていいあのフェイトさんが?
つまり、今回の敵は今までの敵―ガジェットドローンを超え、ナンバーズと同等かそれ以上の強さを持つということを意味していた。
この二カ月間無かった、強敵の出現。
そんなスバル達の考えを表情で読み取ったのか、なのはは再び優しく微笑みながら全員を励ました。
「大丈夫だよ。苦戦と言っても、ほんのちょっと防御が硬いだけみたいだから。ほら、頑張ろう」
「「「「……は、はい!」」」」
「うん、いい返事。シグナム副隊長は先に行ってるし、わたしも今から行くから四人は…今はだとヴァイス君に送ってもらうのは無理だから…走っていくしかないね」
「あ…今、整備中で飛ばせないんでしたっけ?」
そうだった。
機動六課のヘリ担当、ヴァイス・グランセニックの愛機のヘリは現在、定期のフルメンテナンスのため不在の状態だった。ヴァイスいわく「あいつなりの休暇」らしいが、なんとなく寂しそうだったのを覚えている。
「ま、しょうがないでわよね。じゃあ、スバルとエリオは地上から先行、あたしとキャロはフリードで空からよ」
ティアナの指示によって全員の移動経路が決まると、四人は各々のデバイスの名を叫ぶ。すでにになのはの姿は無い。
「マッハキャリバー!」
「クロスミラージュ!」
「ストラーダ!」
「ケリュケイオン!」
「「「セットアップ!」」」」
「竜魂召喚!フリードリヒ!」
キャロの使役竜、フリードリヒがその翼を大空へと広げる。
「マッハキャリバー、全速力!」
『Ok buddy』
「ストラーダ!」
『Sonic move』
それぞれの色の魔力光を出し、四人は六課隊舎を飛び出した。
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