第一話:悪夢、降臨

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「エリオ!あんたは近くの部隊に応援と医療班頼んできて!キャロはそのまま治療続けといて!スバルはあたしと…」 一緒になのはさん守るわよ。 そう言おうとした時だった。 (あれ…そういえばスバルは…?) そう、視界の中にスバルの姿は無かったのだ。なのはが大怪我をしたのならば、真っ先に飛んできそうなあのスバルが。 どこに行ったのかと探そうとした時だった。 「うわああああああああ!!」 響きわたる叫び。 ティアナは何事かと思い声の方向へと振り向く。 そこには、怪物へ向かって走るスバルの姿があった。 「スッ、スバルあんた!何やって…」 しかしその時、ティアナは見た。 スバルの目が、エメラルドにも似た緑色から、金色へと変わっているのを。 「スバル…!?」 戦闘機人モード。 純粋な人間ではなく、戦闘機人であるスバルのもう一つの顔。 それほどまでにショックだったのだろうか。いや、そうだったのだろう。 その様子をティアナは、ただ黙って見ているしかなかった。 怪物(チュパカブラドールマター)は邪魔者を排除しようと、その長い触手をスバルへと伸ばす。が、スバルは素早いステップでそれをかわす。 何度鞭のように振り回そうと、スバルは時に余裕をもって、時にギリギリでかわしながら徐々に近づいてゆく。 振り回すだけでは当たらないと悟ったチュパカブラドールマターは大きく息を吸い、弾丸のように触手を発射した。 「はあ!!」 しかし、これはスバルの蹴りによって弾かれてしまう。 そうして、伸びきった触手を右手で無造作に掴んだ。 『ガッ!?』 「IS発動、振動破砕」 スバルがそう呟いた瞬間、掴まれた触手がビチビチと跳ね始め、そして、 パンッ 最後に呆気なく破裂した。 振動破砕。 魔導師としてではなく、戦闘機人としてスバルが持っている能力である。 『ガアァ!!?』 チュパカブラドールマターは予想外の出来事と破損からくる一時的なショートによってフラフラとよろめいた。 そしてその隙を、スバルは見逃さない。 「はあ!!」 『ガガァ!!?』 鋭い拳の一撃が、チュパカブラドールマターの腹部をえぐった。
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