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「さて、記念すべき最初に外へ出るのは…」
リオルはそう言うと、一体の異形を招き寄せた。
「No.08、君にしよう」
その一体に対し、呟く。
「君の仕事は………だよ」
そっと、その異形のみに聞こえる声でやってもらいたいことを言う。それを了承したのか、異形はただ小さく頷いた。
「そうか、じゃあ頼むよ」
にこりと微笑むリオル。それは、お菓子を貰った子供のように無邪気な笑顔だった。
どこまでもどこまでも、無邪気だった。
「お疲れ様です、リオル様」
集会(?)が終わり、再び自室へと戻ったリオルに、アーティーが飲み物を差し出す。
「やっぱりさー、柄じゃないんだよねー、ああいうの。次からは変わりにNo.04にでもやって貰おっかなー」
対するリオルは、部屋に来たとたんいつものぐうたらに戻ってしまったようだ。せっかくアイロンを掛けた白衣が、もうしわくちゃになっている。
「そのNo.04ですが、あなたが引きこもっている間、変わりの指揮を担当していましたが」
「ああ、そう。じゃあ後で誉めとかないとねー」
そう言うと、モニターを展開リオル。映し出されたのは、今現在時空管理局に所属しているトップクラスの魔道士のリストだった。
「さあ、アーティー。君が望んだことが、始まるよ。復讐という名の悪意のパーティーが始まる。全てに血を植え付ける、殺戮のパーティーが」
ゆっくりと頬を上げ悪魔じみた笑いを浮かべるリオル。それを見るのは傍らのアーティーただ一人。
数十名いるリストの中の一人―エースオブエース・高町なのはの写真が、ゆっくりと赤く染まっていった。
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