第10章 里奈

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 いつの間にかあいつらはやってきた。  それが生きているときだったか、死んだ後だったかは覚えてない。  知らない間にあいつらはそばにいた。    あいつらは決まって、振り子時計が12時を指すときにやってくる。  時計が鳴ると、そこは光り輝く世界に変わる。  まるでお伽話のシンデレラみたいに。  里奈の家にはなかったはずの、大きなフロアにシャンデリア。  綺麗な外国人のお姉さんとお兄さん達が楽しそうに踊ってるの。  最初は楽しかった。  夢の中にいるみたい。  だけど、ママが駄目だって言うの。  あいつらの中に閉じ込められたらいけないって。  そのうち、里奈達と同じ日本人があいつらの中に現れるようになった。
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