53人が本棚に入れています
本棚に追加
気がついた時には、暗闇の中にいた。
一瞬、どこにいるのかわからなかったが、徐々に見覚えのある屋敷に里奈は全てを思い出した。
ここは里奈の家だ。
死んじゃったパパと一緒に引っ越してきた、お洒落な家。
みんなに自慢のできるお気に入りの家だ。
ママや和人はどこにいるのだろう?
里奈は屋敷の中を捜す。
階下からぼそぼそと人の話し声が聞こえてきて、里奈は急いで螺旋階段を降りた。
「嫌だ、何この足音? 気持ち悪い」
ママじゃない女の人の声が聞こえてくる。
誰?
リビングの扉から中を覗きこむと、里奈の知らない大人が何か神妙な顔をして話し込んでいる。
どうして知らない人達がいるの?
里奈はわけがわからず、そっと暗闇に身を潜めた。
最初のコメントを投稿しよう!