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―10分後―
やはり掃除に対しての意欲は無かったようで、少し家の周りの葉をホウキで散らすと早々に掃除を切り上げ、家の中に戻ってしまった。
「あ~あ……僕も学校とかに行っておけば今頃ホウキでスイ~ッと飛べてたかもしれないのにな~」
椅子に座りそんなことを考える太郎。きっとその脳裏には額に傷のある、あの魔法使いが思い起こされているのであろう。
(そうだ!!)
何を思いついたのか太郎は、いきなり外に出る。
そして家の隣に建ててある倉庫に向かい、マットを取り出すと、地面に敷いた。
「よしっ!! 準備完了!!」
そう言うと太郎はマットの上でホウキに跨る。
まさかとは思うが今からホウキで練習をするつもりなのだろうか。
そしてマットを取り出したのはもし万が一飛べたときに落ちても大丈夫なように置いたのだろうか。――その心配はおそらく、きっと、杞憂だと思うが。
ちなみに跨ったホウキはさっき掃除に使っていたホウキと全く同じである。
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