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「マット置いといてよかったぁ……」
やっと出た第一声がこれ。
どうやら腰を強く打ったよう。
手で押さえながら立ち上がる。
(一応飛べたけどやっぱりホウキで飛びたいよね。どうやったらいいんだろう……。
とりあえず家に帰ってから考えよう……)
そう思い、太郎は家へと歩を進める。
といっても痛みを我慢しながらなのでとてもゆっくりだが。
家の中に入ると早速太郎は考え始める。が、いくら考えても答えは出てこない。
数分間太郎が思考を巡らせていると、ふいに家の扉が何者かに叩かれる。
しかし太郎は、普段人が訪ねて来る事など無いので、風か何かだろうと思い行動を起こそうとはしない。
だがしばらくすると、先程よりやや強く、風では到底鳴らせない音が太郎の耳に入る。
(人?)
音の正体を不審に思いつつ、太郎は扉に手をかける。
「はいはーい」
そしてゆっくりと、その正体を確かめるように扉を押し開く。
扉を開けるとそこには、少女が立っていた。といってもローブを着、そしてフードを頭に被っているので、本当に少女なのかは少し疑問であるが。ここはやはり体型で判断すべきなのだろうか。
それにしてもこの格好はまるで……。
「魔女はいりませんかー」
そう、魔女のような格好。
「は?」
まさか、家に魔女が訪ねてくるなんて――。
驚きが、隠せない。
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