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空を眺めるのが好きだ。
それもよく晴れた空が。
でも生憎と今見える空はどんよりと曇っている。
――まるで俺の心と同じだ。
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最近幸せそうなカナたちを見てると、変な虚無感が俺を襲う。
何故かは……わからないけど。
今日だってそうだ。
そんな虚無感に駆られたくなくて、カナたちがわざわざ昼飯を誘いに来てくれたのにそれを断って一人学校の屋上に逃げてきた。
なのに金網にもたれ掛かるように座って暫くすると、カナたちといる時以上に強い虚無感が襲ってくる。
弘「…なんなんだよ、クソッ」
ホントわけがわからない。
―――――なんだ?
やけに背中と腹辺りが暖かい。
弘「………ん…く…」
身動きとろうと体を動かした際に酷く掠れた声がでた。
蓮「いやんっ、そないな可愛い寝起き声出されたら僕ちん困っちゃうやん」
弘「………!!??」
急に腹まわりが苦しくなるのと同時に、耳元で最近慣れ親しんでしまった嫌いなヤツの声が聞こえた。
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