第一小節 -前奏-

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俺は坂井俊弥(サカイトシヤ)。 小学生である俺は、友達と楽しく会話をしたり遊んだりしている。 毎日を楽しく過ごしている。 しかし何の前触れもなく、俺たちの家族を不幸が襲った。 その出来事が、未来の俺を作っていくトリガーになってしまったのだ。 7月31日……。 「じゃあ母さん、父さん行ってくるね」 「いってらっしゃい。俊」 「気をつけろよ?俊弥 今日はお前の誕生日だから早く帰ってくるからな?」 「わかったよ。じゃあね」 父さんと母さんに声をかけてから、俺はいつもどおり学校に登校した。 父さんが言っていたように、今日は俺の誕生日だ。 だけど、いつもと同じように飛燕と一緒に登校していた。 飛燕は幼馴染であり、俺の大の親友だ。 「俊。昨日のテレビ見たか?」 「ん?なんの?」 飛燕は俺の誕生日のことを話さなかった。忘れているんだろうか? 「飛燕。今日の放課後何する?」 俺はいつもどおり今日の放課後の話を切り出した。 「え~と……」 その時だった。 『ドォォォォン!!』 「な、何の音だ?」 俺はびっくりして反射的にそう言った。 「かなり近いとこだったぞ。行ってみよう」 飛燕と同じ考えだったから頷いて、俺たちは音のしたほうに駆け出した。
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