後書き

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STLLBORN あれから何年すぎたのだろう。 「パパ~!ママ~!どこにおにーちゃんいるかなぁ?」 よく晴れた日。今日は来希の誕生日で命日だ。 両親を振り返り、空に手を伸ばすのは来希の妹として生まれた子だ。 「あぁ、いるよ。お兄ちゃんはいつも側にいてくれる」 「すーちゃんもお兄ちゃんにたっくさんお話しようね」 「うん!すーかおはなしするよ」 来希が空へ帰って数年。 また私に宿ってくれた小さないのち。来希のようになってしまったらと、眠れぬ日が一体どのくらい続いたことだろう。 でも、この子は無事に生まれてくれた…今、お腹にいる子もきっと大丈夫。 「悟浄」 「なんだよ」 「来希の事は悲しかったけど…今とっても幸せ」 そういって愛娘の嵩歌を見て微笑む瞳を悟浄は優しく抱きしめる。 「来希は死んでない…俺らの中で生き続けている」 「そうね」 駆け寄って来た娘を抱きしめて悟浄は瞳と笑いあう。 そんな三人を包み込むように暖かな風が吹く。 来年の今頃には新しい家族が増えているだろう。
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