†02† 過去と今と

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「ねぇ、本当に何もないの?」 「うん。佐倉とはただの幼なじみなだけだよ」 「ふーん……」 なんとなく納得のいかなそうに菜奈はつぶやくと、オレンジと赤のグラデーションがきれいなカクテルに口をつける。 菜奈には、男関係でいろいろ迷惑をかけているので黙っていることにした。 それに、彼とこれからも会うことも連絡を交換した手前ありそうだし、そうなった時気まずくなるのも嫌だったから……。 けれど、時期をみてそのうち話そうとは思っている。 菜奈はこっちにきてはじめてできた、大事な友達だから。 普段は少しだけ強引なところもあるけど、私が言いたくないことは無理に聞こうとはしないし、いろんな場面で気遣い助けてくれる。 元気のない時は飲みに連れて行ってくれたり、笑わかせてくれたり…… 明るい彼女と一緒にいると、私はいつも笑顔でいられるし、安心できる。 なんとなく、そういうところは佐倉と似ているかもしれない。
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