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ふと携帯を見ると、メール受信のランプが点滅していた。
菜奈も、自分の携帯を手に取っていた。
「あ、修一くんからメール着たよー。彩も?」
「そうみたい」
携帯を開くと、名前と電話番号の添えられたメールが届いていた。
「修一くんてさ、彼女とかいるのかな?」
菜奈は携帯をいじりながら、ぽつりとつぶやく。
「いるんじゃない?アドレス、彼女の名前入って……あれ?」
昔見た彼のアドレスとは全く違っていた。今までのアドレスは、やたら長く彼女の名前やら記念日やらがよく入っていたのに……。
シンプルな短いアドレスが画面に映っていた。
「なんか変わったな……あいつ。いつも女の名前とか入ってるのに」
「そうなの?じゃあいそうだけど、いないとみて……」
「何それ」
私は、まじまじと携帯とにらめっこしている菜奈を見て思わず笑ってしまう。
「聞いてみちゃおう♪」
「こらこら、佐倉もう多分寝ちゃうんじゃない?明日早いって……」
「あ!えっと……今はいないって!」
もう聞いたのか……あまりの速さに私は呆れと関心の表情で菜奈を見る。
「今から寝るからまた今度にでも、だって!彩にもよろしくだってさ」
「そっか」
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